No.64(カール大帝とフランク王国の分裂)  : 

「カールの加冠とその意義とは何か?」

カールは以前から、カロリング=ルネサンス(「カールによる文芸復興」の意)と呼
ばれるように、ラテン古典を再生していた。そこにローマ教皇が、カールに政治的・
軍事的な保護を求めて西ローマ皇帝の地位を復活させ、西暦(キリスト教カレン
ダー)800年12月25日のクリスマスの日を選んで、帝冠を与えた。これにより、歴
史上初めてゲルマン・キリスト教・ラテンの三要素が一体化し、西欧という区分(世
界・文化圏)が誕生した。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
カールの戴冠式が、西暦800年のクリスマスの日にローマで行われたことの意味
を知ることにより、大きな関心を持って学習に取り組んでいる。

思考・判断:
文化上のカロリング=ルネサンス、宗教上のローマ教皇からの戴冠、政治上の西
ローマ帝国の復活の三つの動きがカール大帝を通して一体化したことが、ヨーロッ
パ世界を誕生させたことについて考察している。

資料活用の技能・表現:
「カール大帝」が、英語ではチャールズ・ザ・グレート、フランス語ではシャルル・マー
ニュの名称で知られていることを知ることにより、彼が西欧を構成するドイツ・イギリス
・フランスの三国にとって共通の「民族的英雄」であることを実感する。

知識・理解:
「ヨーロッパの三要素」ゲルマン的要素・カトリック的要素・ラテン的要素の三者が結
びつくことによって、ヨーロッパ世界が誕生したことを理解し、基本的な知識を身につ
けている。